IT導入補助金2024には【インボイス枠(電子取引類型)】という申請枠が用意されています。
あまり聞きなれない電子取引類型。
果たしてこの申請枠はどういう申請枠なのでしょうか?
また、インボイス枠(電子取引類型)は関係ない業種もあります。
今回の記事を読んでいただければ、対象であれば申請の仕方、対象外であれば違う申請枠が丸分かりになりますので、ぜひご覧ください!
価格 | 1,920,000円 |
機能性 | |
ユーザビリティ | |
費用対効果 | |
IT導入補助金 | 適用可能 |
IT導入補助金2024インボイス枠とは?
IT導入補助金2024インボイス枠には2つあります。
「インボイス対応類型」と「電子取引類型」です。
今回は、電子取引類型に絞ってお伝えします。
「インボイス対応類型」に関しては別の記事で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。
電子取引類型とは?
インボイス制度に対応した受発注システムを商流単位で導入するのであれば支援しますよ〜というもの
受発注システムとは?
受発注システムとは、商品やサービスの注文を受けたり、注文を出したりするためのコンピュータプログラムです。
例えば、あなたがインターネットで何かを買うときに使うショッピングサイトも受発注システムの一つです。
商流単位とは?
商流単位というのは、企業が商品やサービスを取引する流れのことです。
例えば、商品がメーカーから卸売業者を経て、小売店に届き、最終的に消費者に渡るまでの一連の流れです。
簡単な例で考えてみよう
発注者:スーパー
スーパーが農家から商品を注文して仕入れます。
受注者:農家
農家がそのスーパーからの注文を受けて野菜や果物を提供します。
スーパーがインボイス制度に対応した注文管理ソフトを導入します。
このソフトは、注文や請求書を効率よく管理するためのものです。
スーパーは、このソフトを使うためのアカウントを農家に無料で提供します。
農家はこのアカウントを使って、スーパーからの注文を受けたり、請求書を発行したりします。
スーパーがこのソフトを導入する際にかかる費用の一部を、国が補助金として支援します。
これにより、スーパーは費用を抑えて新しいソフトを導入でき、小さな農家も無料でそのソフトを利用できます。
つまり、インボイス制度に対応するために必要なソフトを、スーパーと農家がスムーズに使えるようになり、取引がより効率的になる!
IT導入補助金2024インボイス枠(電子取引類型)にあまり関係のない業種は、主に以下のような業種が考えられます。
一人で事業を行っているため、商流単位での受発注システムの導入が不要な場合が多いです。
物品の受発注よりもサービスの提供が主である業種(例えば、教育、医療、観光など)は、商流単位での受発注システムの導入が不要な場合が多いです。
公共団体やNPO、学校法人などは商流単位での受発注システムの導入があまり関係ない場合があります。
この補助金の対象となるのは、発注者がインボイス制度対応のITツールを導入する場合です。
受注者が発注者に対して、「このソフトの導入をお願いしますよ〜」と頼むことはできますが、下請け業者(受注者)は自らこの補助金の申請を行うことはできません。
受注者は、発注者から無償で提供されるアカウントを利用する立場にあるため、直接的に補助金を受け取るわけではありませんので覚えておきましょう。
それでも取引がより効率的になるのは確か!
IT導入補助金2024インボイス枠(電子取引類型)の特徴
インボイス枠(電子取引類型)には2つの大きな特徴があります。
「商流単位」と「補助額」です。
1つ1つ解説していきましょう
まず、IT導入補助金2024インボイス枠(電子取引類型)の大きな特徴は、他の申請枠と違って、自社だけではなく取引先も一緒に巻き込む点です。
たとえば、通常枠は自社のITツールの話です。
でも、インボイス枠(電子取引類型)はそもそも商流単位があってこその話。
「自社で作ったものを消費者に提供しています」という商売だとこの補助金は使えません。
なので、商流単位があり、なおかつ発注者であることが条件といえます。
発注者がインボイスに対応したITツールを導入し、その後受注者にも無償で提供することから、インボイス枠(電子取引類型)は自社だけの話ではないことが分かります。
「取引先も巻き込んで一緒に効率良く末長くやっていきましょう」というスタンスになります。
ということは、もしもあなたがIT導入補助金2024インボイス枠(電子取引類型)を考えている場合は、予め取引先にも伝えておいたほうが後々スムーズになるということです。
いつの時代も思いやりとコミュニケーション!
補助額は下記をご覧ください。
補助率 | 補助額 |
---|---|
2/3以内(中小企業、小規模事業者等) | (下限なし)~350万円以下 |
1/2以内(その他事業者等) | (下限なし)~350万円以下 |
まず、インボイス枠(電子取引類型)で申請するITツールは、商流単位で使え、受注者側にもアカウントを無料で発行できることが前提となっています。
また、その受注者側アカウントも上限数が決められたものではないといけないというルールがあります。
補助対象経費も特殊なので覚えておきましょう。
補助対象経費は、以下の計算式となります。
計算例はこの後、記載するのでご覧ください
中小企業と小規模事業者の定義はそれぞれ、下記の通りに定められています。
中小企業の業種 | 資本金(以下) | 従業員数(以下) |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業、情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
医療法人、社会福祉法人、学校法人 | ー | 300人 |
商工会、都道府県商工連合会、商工会議所 | ー | 100人 |
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 特別の法律によって設立された組合、連合会 財団法人、社団法人(一般、国益) 特定非営利法人 | ー | 主たる業種に 記載の従業員規模 |
小規模事業者の業種 | 従業員数(以下) |
---|---|
商業、サービス業(宿泊業、娯楽業除く) | 5人 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人 |
製造業その他 | 20人 |
また、「その他事業者等」の記載がありますが、ここに関しては経済産業省も触れていないため、考えなくていいでしょう。
では、電子取引類型の補助額が受注者の与えるアカウント数によって若干異なるので、実際に計算してみよう
たとえば、
ITツール導入費用が300万円で、受注側アカウントの総数が「5」、受注側が実際に利用するアカウント数「4」の場合。
300万円×4/5=240万円
申請者が中小企業、小規模事業者等の場合は2/3なので、
240万円×2/3=約160万円
補助額は約160万円になります。
同じく、
ITツール導入費用が300万円で、受注側アカウントの総数が「5」、受注側が実際に利用するアカウント数「3」の場合。
300万円×3/5=180万円
180万円×2/3(中小企業、小規模事業者等)=約118万円
補助額は約118万円になります。
このことから、受注側が実際に利用するアカウント数は多いほうが降りる補助金の額も大きくなることが分かります。
逆に、受注側アカウントの総数に対して、利用する受注者が少なかったら、補助金の額は小さくなります。
アカウント数は予めいくつ用意するべきかはIT支援事業者と取引先にコミュニケーションを取りながら進めていこう!
2024年6月下旬時点で、3次分の結果が発表されています。
インボイス枠(電子取引類型)
締切 | 申請数 | 交付決定数 | 採択率 |
---|---|---|---|
1次分 | 0 | 0 | – |
2次分 | 1 | 1 | 100% |
3次分 | 0 | 0 | – |
このことから、インボイス枠(電子取引類型)は劇的に需要がないことが分かります。
そのため、今後撤廃される可能性は十分あります。
現に、ITツール検索を行うと、インボイス枠(電子取引類型)で登録されているITツールは2024年7月上旬現在、わずか17件しか登録がありません。
同じインボイス枠である「インボイス対応類型」は約1万600件の登録があることから、IT導入補助金2024の中では人気のないことが伺えます。
逆に言うと、チャンスだ!興味のある方は急ぐことをオススメします!
IT導入補助金2024インボイス枠(電子取引類型)の補助対象
受発注ソフト
この補助金の対象となるのは、以下の条件を満たす受発注ソフトです。
- インボイス制度に対応:
- インボイス制度(新しい請求書のルール)に対応した機能を持っていること。
- 発注側の事業者が導入:
- 商品やサービスを注文する側の企業(例えば、スーパー)がこのソフトを使うこと。
- 受注側の事業者に無償でアカウント発行:
- 商品やサービスを提供する側の企業(例えば、農家)に対して、無料でこのソフトを使えるアカウントを発行できること(アカウント上限数に上限があるもの)
- クラウド型のソフトウェア:
- クラウド(インターネット上のサービス)を利用するタイプのソフトウェアであること。
- クラウド利用料(最大2年分):
- クラウドサービスの利用料が補助対象となり、最大で2年分の利用料が支援される。
IT導入補助金2024インボイス枠(電子取引類型)のスケジュール
申請の締切がありますので、IT導入補助金2024のホームページを常にチェックするようにしましょう。
2024年6月下旬現在ですでに決まっているスケジュールを記載します。
5次締切日 | 2024年7月19日(金)17:00 |
交付決定日 | 2024年8月30日(金)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年11月29日(金)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年11月29日(金)17:00 |
6次締切日 | 2024年8月23日(金)17:00 |
交付決定日 | 2024年10月3日(木)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2024年12月9日(月)17:00 |
事業実績報告期限 | 2024年12月9日(月)17:00 |
この日までに全てのITツールの契約・納品・請求・支払い・導入を完了させてくださいね〜という期間です。
ITツールを導入後、事業の実施内容を事務局に報告する義務があります。その報告はこの日までにしてくださいね〜という期間です。
IT導入補助金2024インボイス枠(電子取引類型)の申請・導入までの流れ
まずは、IT導入補助金2024がどういうもので、5つの枠の公募要領がどういうものかを確認して理解を深めましょう。難しい内容ばかりですが、がんばりどころです。
IT導入補助金を理解したうえで、どんなITツールを導入するべきかを考えましょう。また、同時にパートナーシップを結ぶIT導入支援事業者も決めなければなりません。
よく分からない場合は、なるべく早めにIT導入支援事業者に相談することをオススメします。
またITツールとIT導入支援事業者は検索できるようになっていますので、一度ご覧ください。
>>ITツール・IT導入支援事業者検索
いよいよ申請の準備をしていきます。
まず、「gBizIDプライム」のアカウント取得、「SECURITY ACTION」の宣言という2つが必ず必要になってきます。
「みらデジ経営チェック」という無料診断ツールの実施も必要。
同時に、書類の準備もしていきます。
補助金の申請は複雑で難しいです。
不採択になることもあるので、必ずIT導入支援事業者に相談しながら進めていきましょう。
そのために、強力なバディを見つける必要があります。
申請内容は、審査を経て採択か不採択かの通知がされます。無事、採択されれば、補助金を使っての事業を開始することができます。
申請内容に基づいてITツールの導入を進めていきます。
申請内容通りにしないと虚偽の申請となるため、注意しましょう。
ITツールの費用は、先にもお伝えしている通り、まずは全額負担となります。
実際に「ITツールを導入して事業をスタートさせましたよ」という報告を事務局にしないといけません。
請求書や振込明細、ITツールを導入したものと分かる証拠書類を事務局に提出します。これらを「事業実績報告」といいます。
以上を経て、補助金が交付されます。
補助金が降りたからといって、安心してはいけません。
実は、ITツールを導入した後の効果報告を定められた期限内に報告しないといけません。これを怠ると補助金の返還の可能性が出てくるので、覚えておきましょう。
まとめ
IT導入補助金の実施により、企業間の取引がスムーズになり、特に中小企業や小規模事業者が負担するITシステムの導入費用を軽減できることで、経済全体の活性化と成長が促進されると期待されます。
インボイス枠ではない通常枠に関しては別の記事で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。
分からないことがありましたら遠慮なく当サイト『補助金グダム』事務局へお問い合わせください!
価格 | 1,920,000円 |
機能性 | |
ユーザビリティ | |
費用対効果 | |
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